日知舎について

古い日本語に、日知(ひじり)という言葉があります。

この言葉の意味を辿っていくと、「太陽の運行と暦をよく知るもの」とか、「自然の霊力(ヒ)をよく知るもの」、あるいは「火の扱い方をよく知る原始宗教者」などに出会います。つまり日(ヒ)知(ジリ)とは古い時代から日本列島にいた日(自然)と霊(魂)と火(文化)の知恵を司るものたち、といえるでしょう。

日知舎は、古代から続く知恵に学びながら、地域文化の継承とその今日的な展開のために、目と気配りの行き届いた小さな経済をまわしていこうとする事業体です。

現在は山形県鶴岡市の三瀬地域で、山伏文化の活性化、月山山系の恵みである山菜・薬草・きのこの採集と流通、土地に暮らす人びとの手仕事のリデザインと流通、アトツギ編集室での諸事業、古民家改修、中学生から大人までの自主勉強会、大学講師、地域文化の調査研究とそれにもとづく表現活動を行っています。

成瀬正憲

1980年東京都生まれ岐阜県中津川で育つ。
2007年中央大学大学院総合政策研究科修士課程修了。
PTP.inc.入社。福井県三国湊に移住し、地域づくり・環境教育に携わる。羽黒修験「秋の峰」に参加。
2008年NPO法人三国湊魅力づくりPJの職員として同事業を行う。
2009年山形県に移住し、羽黒町観光協会職員として地域活性化事業に携わる。
2011年パリとブダペストにおいて「出羽三山の山伏文化と精進料理」を紹介。
2012年「出羽三山精進料理プロジェクト」を立ち上げる。日知舎設立。大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2012で森繁哉の舞踏作品「日仏共同制作 フクシマ―痛むものたちの声」に出演。
2013年生活工房で開催された「アトツギ展―山と里、庄内に学ぶ」に関わった天野典子、稲葉鮎子、吉田勝信とリトルプレス・アトツギ編集室を設立、『アトツギ手帳』出版。同年4月「緑の山伏 マウンテッド in 出羽」を企画・実施。アトツギ編集として「森の晩餐」を企画・開催。月山山系の山菜やキノコの採集・流通を開始。
2014年日知舎のおえ草履をリリース。『森ではたらく』(学芸出版社)、『自分の学びの見つけ方』(フィルムアート社)、『小商いのつくりかた』(東京書籍)発刊。
2015年メキシコにおいて「ENCUENTRO DE DOS TRADICIONES CHAMANICAS」に参画。ウイチョルの呪術師と彼らの集落や聖地・ウィリクタを旅する。日本メキシコ協同制作舞踏公演「ともに在る」上演。「山から平和を考える―緑の山伏大行進」を企画・実施。日知舎のおえ草履で「山形エクセレントデザイン2015地域デザイン賞」受賞。
2016年山形県鶴岡市三瀬に移住。地元中学生を対象とした勉強会を開始。東北公益文化大学で文化人類学の講義を開始。有志と自主的なゼミを開始。
2017年Reborn-Art Festivalに参加。

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